普段何を飲んでいますか?
僕は水出しの麦茶です。鶴瓶さんのやつ。
家でも職場でも飲んでいます。
先日、中国人のお友達から鉄観音茶という中国茶を頂きました。
パッケージが可愛いですよね。
早速飲もうとマイ茶道具を広げます。
茶葉からお茶を抽出するのは難しそうです。
どうやって飲もうと考えていたら、スーパーで茶葉をティーパックにするフィルターが売ってあったのを思い出しました。
でも、せっかく貰った本場の中国茶。最高の状態で飲みたいなぁ。
そうだ、茶器を買おう。
と、いうことで行ってきました中華街。
今回お邪魔したのは『悟空1号店』。
1981年からあるお店ということで古書店のような雰囲気です。
入ってすぐにジャスミン茶の試飲用ピッチャーがありました。
一口ふくんだだけで花の香りが広がります。普段は麦茶ばかりを飲んでいるので新鮮でした。
今回は茶器を買うという目的で頭がいっぱいだったので、購入にまでは至らなかったのですが、次回お茶の飲み比べをするときに買ってみようと思います。
ジャスミンの香りでリラックスしていると気が付きました。
表にはあんなに人がいたのにお客さんがいない。
ジャスミンティーを片手にもった自分一人だけ。店員さんすらいません。
急に中国茶に囲まれた自分が客観的に見えて、アウェイな雰囲気を感じてしまいました。
自分に中国茶器は似合わないのではないか?
麦くせぇと、店員さんが引っ込んでしまったのかもしれない…
緊張しながら店の奥に声を掛けます。
「すみません」
ドキドキ
「はい、どうされました?」
あ、日本人だ。
勝手に中国の人のお店だと思っていたので、逆にギョッとしてしまいました。
「友達に中国茶を頂いたのですが、飲み方を知らなくて…」
「どのくらい本格的にされるんですか?」
…こ、この人はプロ。
たった一言で認識させられましたよ、中国茶は奥が深いということを。
そして、その世界に踏み入る覚悟がお前にあるのか?と問われている。
「ちょっとづつ挑戦したいんですけど、まずは二人で中国茶を手軽に楽しめるような道具が欲しいです。」
一緒に飲む相手なんていないのに見栄を張ってしまいました。
「わかりました。それでは最低限のものをご紹介しますね」
「まず、少なくとも茶壺(チャフウ)が必要ですね」
そういって店員さんがつまみ上げたのは、可愛らしい茶器でした。多分100ccにも満たないサイズです。
「一回目、二回目、三回目と抽出するたびに変わる味を楽しむんです」
なるほど、それでこんなに小さいのか。
「ガラス製のものだと茶葉の揺らめきを楽しむこともできますよ」
中国茶をただの飲料水ではなく、嗜好品として紹介してくれているのが分かります。
「磁器のものだとお求めやすい価格のものが多くて、挑戦しやすいかもしれません」
茶器ってけっこうするなぁ。と警戒モードになっていたのですが、しっかり低価格帯のものも紹介していただけたので店員さんへの信頼が増しました。
何も知らないカモ。ではなく、中国茶ワールドへの挑戦者。として扱ってくれているんだなと感じました。
「茶葉によってはお湯で開いた後に一枚の葉になるものもあります。しかし、そういった茶葉でも茶壺から注ぐときに葉の欠片が茶壺から漏れ出てしまうんです」
そう言うと店員さんは、喫茶店にミルクピッチャーとして置かれていそうな茶海(チャカイ)という茶道具を紹介してくれました。
「茶壺で抽出して、フィルターでこしながら茶海にお茶を移します。そこから、茶杯に注ぎ分けるんです。」
茶壺にフィルターがあって抽出さえ済んでしまえば、急須と同じようにそのまま茶杯に注ぐものだと思っていました。
正直面倒くさいなと思いましたが、中国茶はたしなむもの。
趣味なんだから手が込んでいて作業量が多いほど、楽しめるポイントが多いのですね。
「まぁ、こだわりがなければフィルターはらないですし、茶海もいらないです。」
なるほど、楽しみ方は人それぞれなのか。
お作法よりも楽しもうぜという心意気が素敵。
「ありがとうございます。デザインとか好きなものを選んでみます。」
「はい、お決まりになったら声をかけてください。」
そうやって店員さんから一通りレクチャーをしてもらうと、いつの間にか小さなお店が複数のグループで埋まっていました。
- もともとお茶に詳しそうなおば様方。
- キャピキャピした女学生。
- 試飲用のジャスミンティーに釣られてきたスポーツマン親子。
みんな気になってたけど人がいないから入りづらかったのかな。もしかして私のおかげ?
なんて、謎の貢献した感を覚えながら物色を続けます。
使い方が想像つかない物ばかり。
コップも小さいわりに高いなぁ…
「決まりました。よろしくお願いします。」
一通りそろえてしまった。清水の舞台から飛び降りる気持ちでレジに持っていきます。
「それでは最後にお品物の確認をお願いします。」
「あ、全然大丈夫です。」
茶器の状態の見方が分からないので間を置かずに言ってしまいます。
それでも店員さんはひとつひとつ、茶器のふちを指でなぞりながら丁寧に確認をしてくれたんです。
茶器の価値なんて全然わからないし、高級品ほどの値段ではなかったんですが、
価値あるものを買ったんだ!
という気になりますよね。
百均でも器が揃うことに慣れていた自分。
器一つ一つを丁寧に扱う姿がかっこよく見えました。
「あと、これが友達にもらったお茶なんですけど…」
最初に聞きそびれていたことを思い出しました。
「これは鉄観音茶ですね。沸騰したお湯で一分抽出するとおいしく飲めますよ。一分以上だと苦みが出てくるので注意してください。」
「この感じだと一袋5gくらいですかね。この一袋を一回で使用するみたいですね。」
お店の商品でもないのに丁寧に説明してもらえました。
専門店なので当然なのかもしれないですが、自分の知らないことをスラスラ説明してくれる人はかっこいいですよね。
揃いました!
- 茶壺:1,200円
- 茶海:756円
- 茶杯:756円×2
- 聞香杯:756円 ×2
- 茶托:810円×2
- 茶こし:432円
- 茶こし置き:126円
- 合計:7,158円
見ただけで優雅な気持ちになります。
この新生マイ茶道具部隊で中国茶の世界に挑戦していきますよ。
みなさんも中国茶器を買うとき中華街に行ってみてください。
ちなみに「悟空1号店」さんと同じ系列の「悟空茶荘」さんは通販もやっているみたいです。
なかなか行けないという方は是非。